🔁 ゴールと完成イメージ
実践②では、複線(線路が上り・下りの2本)の駅で、列車が折り返すマップを作ります。 駅の真ん中に折り返し用の「中線(なかせん)」を持つ2面3線の駅です。 下り方向から来た列車が中線に入り、向きを変えて上り方向へ出発する——そんな運用が組めるようになります。
このチュートリアルで新しく学べること
- 列車種別のカスタム作成(名前・カラーコードの指定)
- 複線+中線(2面3線)の駅と、片渡り分岐の作り方
- 通過列車の設定
- 信号の高度なロジック:AND条件と二灯式信号
- 折り返し運用(経路グループを2つつなぐ・「次運用を作成して登録」)
✏️ 設計図(2面3線・中線で折り返し)
今回の駅は、上下2本の本線(複線)の間に折り返し用の中線がある形です。 番線は上から1番線(下り本線)・2番線(中線)・3番線(上り本線)とします。
🏢 STEP1 会社(種別をカスタムで作る)
新規マップを作り(例:マップ名 折り返し駅、シナリオ 昼)、会社カテゴリから始めます。基本は実践①と同じなので、ここでは新しい「種別のカスタム作成」を中心に。
1-1. 列車種別を自分で作る(カラーコード)
既定バンクから選ぶだけでなく、名前と色を自分で指定して種別を作れます。今回は折り返す列車用に 直通各駅停車、通過する列車用に 各駅停車 を用意します。
色は6桁のカラーコードで、背景色・文字色・ダイヤ色の3つを指定できます。
| 色 | おすすめ | 例 |
|---|---|---|
| 文字色 | 特になければ白 | FFFFFF |
| 背景色 | 濃いめ(バッジが見やすい) | ダークグリーン 006400 |
| ダイヤ色 | やや明るめ(ダイヤ図で見やすい) | ライム 00FF00 |
1-2. 列車形式を2つ用意する
走らせる車両を2つ作ります(手順は実践①と同じ)。
- 10系:10両編成・200m・水色
- 11系:8両編成・160m・黄緑
→ くわしくは 会社編集ガイド
🛤 STEP2 配線(複線+中線・片渡り分岐)
駅の真ん中から描くのは実践①と同じ。今回は線路の本数が増えるのと、片渡り分岐がポイントです。
2-1. 駅の3本の線路を引く
1番線・2番線(中線)・3番線の軌道回路を引きます。
2-2. 片渡り分岐を作る(片開きの組み合わせ)
中線と上下の本線をつなぐには片渡り(かたわたり)の分岐が必要です。片渡りは片開き分岐器を2つ組み合わせて作ります(直進側と分岐側が2つあるイメージ)。
「下り線から中線に入る」「中線から上り線に出る」両方を実現するには、片開きを最低3つ(真ん中をY字型にする場合)、場合によっては4つ(Z字型にする場合)組み合わせます。
2-3. 駅の外側の軌道回路(上り下りに3区間ずつ)
駅の外(複線部)には、上り・下りそれぞれ3区間ずつ軌道回路を置きます。 区間を分けておくと、列車が少しずつ近づいてくる様子が見えて分かりやすく、また急に接近鎖錠がかかるのも防げます。
2-4. 軌道一括で長さ・制限速度を決める
| 場所 | 長さ | 制限速度 |
|---|---|---|
| 駅の本線(1・3番線) | 200m | 80km/h |
| 中線(2番線・行き止まり) | 200m | 45km/h |
| 分岐器(短いほう) | 20m | 45km/h |
| 分岐器(長いほう) | 40m | 80km/h |
| 駅に入る直前の斜めの軌道回路 | 40m(任意) | 80km/h(任意) |
2-5. 駅とホームを登録(3線ぶん)
軌道回路を選んで駅名(例:折り返し中線がある駅)を登録し、上から1番線・2番線・3番線を割り当てて更新。続けてホームも置きます(手順は実践①と同じ)。
折り返し中線がある)。表示側で自動的に整います。
→ くわしくは 配線編集ガイド
🚦 STEP3 設備(6進路・信号の高度なロジック)
3-1. 必要な6つの進路とてこ
進路は到着3本・出発3本。実践①と同じく発点てこは数字(右行き=1桁/左行き=2桁)、着点てこはアルファベットで管理します。
| 進路 | 意味 | 発点 | 着点 |
|---|---|---|---|
1A | 下り → 1番線に到着 | 1 | A(1番線) |
1B | 下り → 2番線(中線)に到着 | 1 | B(2番線) |
11C | 上り → 3番線に到着 | 11 | C(3番線) |
2D | 1番線 → 下りへ出発 | 2 | D(下り本線) |
12E | 2番線(中線)→ 上りへ出発(折り返し) | 12 | E(上り本線) |
13E | 3番線 → 上りへ出発 | 13 | E(上り本線) |
3-2. 信号機を置く(場内・出発・閉塞)
場内・出発信号機は進路とペア。進行方向の左側に統一して置きます。1Aと1Bは同じ発点「1」を使う進路なので、画面では縦に並べて置くと分かりやすいです(運転士から見て1番線が左、2番線が右)。
さらに、駅間の防護のため閉塞信号機を置きます。閉塞信号機は守りたい軌道回路をShift+左クリックで指定し、その直前に置きます。
3-3.(Lv2の肝①)AND条件 — 競合する2進路の手前
1A(1番線到着)と1B(2番線到着)は、同じ下り本線から分かれる競合進路です。この2つの手前にある信号機の黄色条件を考えます。
1Aと1Bは同時に開通できない(必ずどちらかが赤)。もし「1Aが赤 OR 1Bが赤」にすると、常にどちらかは赤なので手前の信号がずっと黄色になってしまいます。正しくは「
1Aが赤 AND 1Bが赤」。両方とも赤のときだけ手前を黄色にする、という設定です。
3-4.(Lv2の肝②)二灯式信号 — 行き止まりの中線
1B(2番線=中線に到着)の場内信号機には次の信号機がありません(中線は行き止まりだから)。何もしないと進路を開いた瞬間に青になってしまいます。
実際の鉄道では、次の信号がない(先が詰まっている)場合は黄色で進入します。これを再現するのが二灯式信号のチェックで、最大現示を黄色に制限します(青にはならず、黄色で止まる=注意して進入)。
3-5. 出発ボタン
1番線〜3番線それぞれに出発ボタンを置きます(手順は実践①と同じ)。
→ くわしくは 設備編集ガイド
📋 STEP4 運行(通過・折り返し)
運行はパターンが増えます。①おさらいの発着 → ②通過列車 → ③折り返し、の順で進めます。
4-1. おさらい:1番線に発着する経路グループ
運行 → 経路グループ。出現TC(現れる軌道回路)と出現オフセット(駅停車の何秒前に出すか)を設定し、ステップを進路1A → 駅停車(Shift+左クリック) → 進路2Dの順で登録(実践①と同じ)。発車標は1路線なら「自動」でOK。3番線発着も同様に作ります。
4-2. 通過列車を作る
停車ではなく通過させたい列車は、停車のステップを「通過」に変更するだけです。
- 新しい経路グループ(例
1番線通過、方向「右」)を作る - ステップは発着と同じ(
1A→ 駅 →2D) - 真ん中の駅ステップの「停車」ボタンを押して「通過」に変更
- 列車一覧で通過列車を登録(例:回送列車
9001、出現オフセットは停車より短め60秒など)。編集したら「更新」ボタンを必ず押す
4-3.(Lv2の肝③)折り返し運用 — 経路グループを2つつなぐ
中線(2番線)で折り返す列車は、「到着用」と「出発用」の2つの経路グループを作り、それをつなぎます。
① 到着用の経路グループ
- 経路グループID(例
2番線到着)、方向「右」 - 出現TCは左端の軌道回路。中線は45km/hで遅いので、出現オフセットは1番線到着より長め(例:105秒)に
- ステップ:進路
1B→ 2番線の軌道回路で停車。このとき停車を「折り返し(旅客扱い)」に変更する
② 出発用の経路グループ
- 経路グループID(例
2番線発車)、方向は反対の「左」 - 出現TCは2番線の軌道回路(前の運用=到着が終わった場所を引き継ぐ)
- 出現オフセットは空欄(前の運用から引き継ぐ折り返しでは指定しない)
- ステップ:2番線の軌道回路で停車(こちらは普通の「停車(旅客扱い)」のままでOK) → 進路
12Eで出発
1Bで入り、駅ステップで「折り返し」を行う → その瞬間に出発用グループへ切り替わり → 出発ボタンが押されるまで停車 → 12Eで発車。
ポイントは「到着側のステップを折り返しにする」「出発側は出現TCを前運用の場所にして、出現オフセットを空にする」の2点です。
4-4. 列車を登録して「次運用を作成して登録」
- 列車一覧で列車を作る(例:
5001、11系、直通各駅停車、経路グループ2番線到着、到着 10:04) - 折り返しで終わる経路グループの列車には「次運用を作成して登録」ボタンが出る。これを押す
- 自動で列車番号
5001_2の列車が作られ、列車形式も引き継がれる。列車種別と経路グループ(2番線発車)を指定し、発車時刻(例 10:05)を入れる - 到着側(5001)の時刻も「10:04着・10:05発」のように整える
4-5. ダイヤグラムと確認
ダイヤ行は複線なので、左端を上り・下りの2つ、駅の1〜3番線、右端を上り・下りの2つ、の順に登録します(実践①は単線で左端1つでしたが、今回は2つずつ)。
保存してプレビュー。ダイヤ図に折り返しの筋が描かれ、発車標には種別(直通各駅停車)と列車番号が、上り(左)方面として出れば成功です。
🎉 完成! 次のレベルへ
おつかれさまでした。複線の駅で、通過・発着・折り返しという3パターンの運用が組めるようになりました。 とくに経路グループを2つつないで折り返す考え方と、AND条件・二灯式信号はLv2の山場です。
うまく動かないときは
- 手前の信号がずっと黄色:競合する2進路の黄色条件が OR になっていないか(→ AND に)
- 中線に入る信号が青のまま:行き止まり側の信号を二灯式にしたか
- 折り返さない/出発側が出てこない:到着側ステップを「折り返し」にしたか、出発側の出現TCを2番線にして出現オフセットを空にしたか
- 保存時のエラー:経路グループ編集後に「更新」ボタンを押し忘れていないか
関連ガイド
- 実践① 単線で行き違い — 基本のおさらい
- 設備編集 / 運行編集 — てこ・進路・信号・経路グループの詳細
- 用語集 — 接近鎖錠・競合進路などの確認